ご挨拶

全青司会長

全国青年司法書士協議会
会長 石川 亮 (いしかわ りょう)


47回目の研修会を迎えて

 全青司全国研修会は、今年で第47回を迎えます。全青司創立当初は定時総会と一緒に開催されていましたが、「総会と同時では青年の本当の意味の研修はできない。青年こそ研修に力を注ぐべきだ」という全青司初代会長の信念により、総会とは別に全国研修会が開催されることになりました。第1回全国研修会は、東京代々木オリンピックセンター(オリンピック選手の合宿所)で、外出禁止、アルコール持ち込み禁止の三日間、缶詰で勉強をしたそうです。※
 その一方で、私たちは今、現代社会が大きく揺れ動いているといわれる中で司法書士としての存在意義を求めて彷徨っているようにも見えます。登記制度や裁判制度がどのように変わっていくのか、そして司法書士制度が今後どうなっていくのか、特に若手の司法書士であればあるほど自分の将来に自信が持てないのかもしれません。青年である以上、不安もあり、悩みもあるのは当然です。しかしながら、司法書士として生きていく道を自ら切り開いてきた諸先輩方の熱意あふれる活動をみると、私たちはまだまだ恵まれた環境にいるということを認識せざるを得ないような気がします。私たちが今回勉強する時間は正味一日しかありませんが、全国研修会は最新の情報を仕入れ、一生懸命頭を働かせ、そして全国の仲間と交流する絶好の機会となります。第47回全青司群馬全国研修会を大いに楽しんでいただければと思います。

研修テーマ「探究」について

 私たちは決して一人で生きていくことはできません。人と人とのかかわりの中でのみ人は生き続けることができ、他人からどう見られているか、社会からどう見られているかによって、人は自己のアイデンティティを確立することができます。だから、人は往々にして多数派に流され、権力に従うことを好みます。多数派に属していた方が人とのかかわりが楽だからです。また、民主主義の意思決定で取られることの多い多数決という手法は、結果が見えやすいだけに少数者の意見を聴くことをないがしろにしがちです。相手の立場に立って物事を考えてみるということは思いのほか難しいのです。だからこそ私たちは、他者とのかかわりの中でも、より深く、より掘り下げて、相手のことを理解する姿勢をもたなければなりません。すなわち、私たちは、「探究」することによってより民主的な、より多くの人が幸せになる社会を創造することができるのです。
 ユダヤ系移民として多くの国を渡り歩いた名指揮者ダニエル・バレンボイムは、次のような言葉を残しています。「民主的な社会に暮らす方法を学びたいならば、オーケストラで演奏するのがよいだろう。オーケストラで演奏すれば、自分が先導するときと追従するときがわかるようになるからだ。他の人たちのために場所を残しながら、同時にまた自分自身の場所を主張することはいっこうにかまわない。このような特性にもかかわらず、いやたぶんまさにそのためにこそ、音楽は人間存在の問題から逃避するための最良の手段なのだ」(「バレンボイム/サイード 音楽と社会」A.グゼミリアン編 みすず書房)

実行委員長

全青司群馬全国研修会
実行委員長 大平 覚 (おおひら さとし)


法律家として、とことん突き詰めろ!!

 「私たち司法書士が市民に身近な法律家として、市民の要請に応え、今後も社会から必要とされ続けるために意識すべきこと、身に付けなければならないことは何でしょうか。」
 こうした問いに正解はないと思います。しかし、正解がないからこそ、私たち司法書士は、自らが社会の中で果たすべき役割は何か、法律家として市民のために何ができるのかということを常に考えていなければならないのだと思います。
 日々の業務を漫然と行うのではなく、業務の中で拠り所にしている法令等の諸制度の是非や、私たちが生活する社会の実情とそこで生じている諸問題について、さらには日々行っている「探究」する姿勢を持つことが重要なのではないでしょうか。

おかしなことには、異を立てろ!!

 我が国において、法令等の諸制度は全て民主的な手続きを経て創設されていますが、民主的に決められたから全て正しいものだとは限りません。意思決定の過程で徹底的な議論を尽くしたとしても、多数派の原理に従わざるを得ない場面もあり、多種多様な少数意見の全てに配慮することは難しいのではないかと思います。
 私たち司法書士が、真に市民の権利擁護をするためには、法令に関する知識を高め、実務に精通するだけでは足りず、現行の法制度の趣旨や位置付けについて、それが本当に正しいのか、不合理ではないか、本来はどのような制度であるべきかと常に「探究」し、おかしなことには異を立てる姿勢が求められるのではないでしょうか。
 さらに、社会で生じている様々な問題について考えるとき、まず検討されるのは「社会通念上の正しさ」だと思います。しかし、問題に関わる人の置かれた立場や考え方によって、正しさの基準は変わり得るし、地域の特殊性などによって結論が変わることもあり得ます。法律家として異を立てていくためには、その問題が抱える普遍性・特殊性を考慮しつつ、一方からのみでなく多角的な視点で問題を捉えることも重要なのだと思います。

そして探究へ...

 司法書士制度の創設から現在に至るまで、司法書士は、時代の要請に応える形でその業務形態を少しずつ変えてきました。これは、社会の情勢に応じて、司法書士が社会の中でどのような役割を果たすべきかと先輩司法書士が「探究」し続けてきた成果なのではないかと思います。
 今後も司法書士が社会から必要とされる存在としてあり続けるために、司法書士が一つひとつのあらゆることについて「探究」する意識を持つようになって頂けるよう、本研修会がそのきっかけとなれば幸いです。

群青司幹事長

群馬青年司法書士協議会
幹事長 石原 秀一 (いしはら しゅういち)


「当たり前ではないこと」を「当たり前」に!!

 全青司会員の皆様、こんにちは!!
 群馬で全青司全国研修会を主管するのは、昭和62年以来、実に31年振りのことになります。この大イベントに向けて、幹事長として準備や宣伝等で他県の皆様とお話しさせていただく機会が最近多いのですが、そこで「群馬はアツい!」とのお声をよくいただきます。「 アツい」に当てはまる字は、①「熱い魂を持っている」、②「義理人情に篤い」、③「人材の層が厚い」、④「群馬の館林は日本一暑い」等いろいろ考えられますが、ここでは①と解釈させていただきまして、では、何故そう言われるのか?群馬の諸先輩方から伺った話を基に私なりに考えてみた結果、群馬が積み上げてきた以下のような実績が、群馬のイメージとして今でも定着しているのではないかと思いました。
理由1:昭和の時代に、全国各地でいろいろな形で行われていた立会業務について、その情報を整理し、定義を提唱した。
理由2:平成7年の阪神淡路大震災など、被災地での法律相談を始めとするプロボノ活動に積極的に関わってきた。
理由3:平成16年の不動産登記法改正以前から、原因証書(現在の登記原因証明情報)の重要性を提唱していた。
 ところで、上記についてはいずれも現在では「当たり前」のこととして認識されていると思います。しかし、当時は決して「当たり前」ではありませんでした。その「当たり前ではないこと」を重要だと気づき、研究、実践し続けた結果、現在では「当たり前」となっているのです。ここで重要なのは、「当たり前」となった結果ではなく、気づきから「当たり前」となるに至るまでの過程だと私は思います。今回の群馬全国研修会のテーマは「探究」です。正に、「当たり前」となるまでの過程と捉えることができ、司法書士にとって重要な要素であると考えられます。
 現在、実行委員会は「民主主義」「中央と地域」「正しさ」といったキーワードを基に、哲学、憲法学、社会学等の書籍に当たりながら「探究」を続けております。そして、本研修会にご参加いただく皆様と実行委員会とで共に「探究」した結果が、皆様にとって今後の司法書士業務を行っていく上での一助となるものであればと願います。
 結びに、今回がおそらく平成最後の全国研修会になると思います。「平成」の元号は「国の内外、天地とも平和が達成される」との願いが込められてつけられたそうです。この願いに少しでも近づけるためにも、市民の権利を守るために活動している司法書士のさらなる活躍が必要不可欠であると考えますので、群馬全国研修会に是非ともご参加していただきたいと思います。
 9月22日、23日、高崎の地にて皆様を心よりお待ちしております!!

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