全体会

地域・感情に学ぶ民主主義

役場のうらから

 暮らしやすい社会を形成するために「民主主義」が重要であることを私たちは十分心得
ているはずです。そこで多くの人々が納得する政治や行政がなされることは自明なことの
ように思えます。しかし、多数者の視線から見た「正義」は、常に「正義」となるのかと
いえば、差別をめぐる諸問題などを考えると、そうともいいきれない場面が多いでしょう。
実はそれは地域を見る視線に関しても同じことが言えるのではないでしょうか。

 「地域」の声と法律とをつなぐ司法書士の皆さんにも、そのことを一緒に考えていただけ
ると嬉しく思います。そして「地域」が置かれている現状を考えれば、これまで皆さんが当
たり前のことと考えてきた「知的常識」のなかで、地域が持つ感情というものに再度、目を
向け、それらをバランスよく考えることによって、あらたな民主政のあり方を模索できるの
ではないでしょうか(新井誠教授談)。

 本研修会の主眼は、民主主義社会の中で「地域」が抱える問題点を知っていただき、その
中にある「正しさ」を探究することにあります。
 具体的には、全国に通底する論点を持つ群馬の事案を検討しながら、「地域」にはどうい
う問題があるのか、そういった問題を考える上で「地域感情」をどう捉えたらいいのかを探
究してみたいと思います。
 司法書士は、これまで「街の法律家」を標榜し、「地域」に密着して活動してきました。
しかし、そこに受け身の姿勢はなかったでしょうか。それだけでは司法書士の存在意義が薄
れていかないかと危惧します。あらたな民主政を模索するなかで、自分たちの役割を見つけ
てみませんか。本研修会では参加者それぞれが一司法書士として「どう生きるか」を考えて
いくための一助になりたいと考えています。

新井教授

広島大学大学院法務研究科
教授 新井 誠 (あらい まこと)


新井誠教授プロフィール

・ 1972年群馬県前橋市生まれ
・ 1995年学習院大学法学部法学科卒業
・ 1998年明治大学大学院法学研究科博士前期課程修了
・ 2001年慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程単位取得退学
・ 2001年釧路公立大学経済学部講師、2003年助教授
・ 2005年慶應義塾大学より博士(法学)取得
・ 2007年東北学院大学法学部准教授
・ 2010年広島大学大学院法務研究科准教授、2011年教授、現在に至る。

単著

『議員特権と議会制』(成文堂, 2008年)

共編著

『地域に学ぶ憲法演習』(日本評論社, 2011年)
『現代アメリカの司法と憲法』(尚学社, 2013年)
『憲法Ⅰ 総論・統治』,『憲法Ⅱ 人権』 (日本評論社,2016年)
『変容するテロリズムと法』(弘文堂, 2017年)
等々

実行委員会による紹介文

 新井誠教授は、議会について研究されている憲法の先生です。それだけでなく、地方の大学に在籍していた経験から「地域」の重要性を考えるようになったそうです。実行委員会が「民主主義」について勉強していく中で、より憲法学に近い「民主主義」を学びたいということ、そしてより身近な「地域の民主主義」を学びたいということから、新井教授に教えを請いました。
 ところで、群馬県のローカルネタですが、「前橋VS高崎」論争というものがあります。新井教授は群馬県前橋市のご出身です。非常に深い郷土愛をお持ちの方で、前橋について語り出すととどまるところを知りません。ですので、本研修会の開催地が高崎であることに、少なからずショックを受けています。懇親会の席では、新井教授にやさしいお言葉をかけていただきますようお願いいたします。

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